年月日  2016年5月28日(土)  
ポイント名  カロウ根  カロウ根 
天気  曇り一時晴れ 曇り
 風向き
 風力 0 0
波  なし なし
気温  22℃ 
最深水温  19℃  17℃ 
透視度  10m  上7下10m  
透明度 10m  上7下18m 
潮  出し潮中 出し潮あり

 今年も房総のビワの季節が来ました。今冬は一時、急に気温が下がった日があったそうで平らな場所の畑では実の入りが悪かったとのお話を聞きました。受粉に摘花、摘果、袋掛けの合間は下草刈が続き、収穫は一時の果物なので高価なのも頷くところです。農家の中には収穫時は眠る時間も削られてこの時期が一番憂鬱だという方もいるそうです。
 そんな話をしながら支度をして港へ。港内は青くはないものの澄んでいていい感じです。カロウ根に着くとそれほど悪くないようですが小潮なのに強い出し潮が出ています。
久しぶりに来られたベテランメンバーさんが最初にENしました。ブイに向かって水面を蹴るフィンの音が騒々しく聞こえてきて「随分流れが強いんだ、それにしても××さんもさっさと潜ってしまえばいいのに」などと船上で気安さから言いたい放題。
私も入ってみるとヤギやソフトコーラルがユラユラ流れに揺れていて小カロウ根の上をいい感じで通り過ぎて行きます。外遊びを覚えて?ちょくちょくいなくなるクダゴンベ捜索隊を尻目に北の土俵へ出て根に上がるいつものコース。根の上では越冬して大きくなったであろうコガシラベラ♀がいて驚きました、あせって撮れなかったのが残念です。
漁礁に戻ると水が撚れているのがわかるくらい流れが止まりません、それでも北に進むのは大丈夫なのでフタホシキツネベラを確認して1本目は終了。
件のバタバタダイバーさんに聞いたら「久しぶりなのでウエイト忘れて漁礁まで潜って気づいた」そうです。どうりでフィン音がした訳です。
 2本目もカロウ根へ。出し潮は相変わらずで目標もなくENしてしまったためなんとなく流れてしまいました。今回はいっそ流されて西のカケダシでエキジットというプチドリフト組とブイに戻る組に分かれました、私は戻る組に。カロウ根の上にもう一度行ってみたもののコガシラベラは見つからず小カロウ根の「ベラの街」で午前中に?だったキンセンイシモチを再確認して終わりました。
たった1週間の間にコガシラベラのほかオトメベラが現れたり、漁礁のネンブツダイは数が増し、イナダも回っていたりとまた季節が進んだなぁと実感した1日でした。



アヤアナハゼ

2016年はアナハゼの仲間が多いようなのですがナハゼの見分け方って難しくてこの魚も背鰭の1~3条が大きい(と思う)のでお初のアヤアナハゼとしましたがどんなものでしょう??



カゴカキダイ

春が終わる頃いつの間にか現れるカゴカキダイ、季節が感じられていいなあ。



キタマクラ

婚姻色バリバリのキタマクラ。でもキタマクラの幼魚はもっと春から見られるのだけど親の婚姻色は今頃とズレがあるのだけど婚姻色をそれほど出さずに産卵しているのかなあ。



キンギョハナダイ

小カロウ根の割れ目にアカオビハナダイの幼魚がいるので毎回覗いているのですが今回はライトなしでもなんとか魚が見つかったのでしめしめと撮ったら、アカオビハナダイでなくキンギョハナダイでした、追い出されたの?



アカオビハナダイ幼魚

で気を取り直して「幼魚園」へ行ってみるとこちらはフツーにいました。でも出し潮なのに潮下に向かって泳いで人の目には判らない何かをパクパク食べていました、川の鱒なんかだと定位して流れてくるのを待つ理にかなったスタイルで餌をとるのですがこれまたどういう理由なのでしょう。



フタホシキツネベラ

こちらはあちこちフラフラしながら餌をパクパク。よく見ていると結構同じコースを回っているし、他の魚が来るとクリーニングしたげに近づく動きも見られました。でも相手がホンベラなためか追い払われてしまいちょっと可哀想。



ニシキベラ

週を重ねるごとにベラの仲間が増えています。なんとなくですがニシキベラ、オトメベラは他のベラより動き出しが遅い感じなんですね。



キンセンイシモチ(左)とジオテンジクダイ(右)

探している生物が見つかった時、一見してわかる場合もありますが中には疑問符がついたまま持ち帰りになることもあります。図鑑やネットですっきり解答といけばいいのですが悶々とする事も多いのです、解答を得た時どちらが快感というとどちらも同じなのです、というどうでもいい話は置いといて、最後に載せたキンセンイシモチは悶々した魚の一つです。
昔からキンセンイシモチには眼の下の一番下を通る青銀色の縦線が線になる「ライン型」と線にならず点々になる「ドット型」がいてドット型は身体中央を通る橙金色の縦線が尾鰭の中まで達する違いもあることから別々の種ではという議論があり、2013年の「日本産魚類検索 第三版」で別種とされ、「ライン型」は従来からのキンセンイシモチに、「ドット型」は新たにスジオテンジクダイという和名がつきました。分布もキンセンイシモチは南方系、スジオテンジクダイはどちらかというと温帯系です。
では坂田ではどうなんだろうとずっと探していたのですが今まで見たのはことごとくドット型で、毎回挫折の連続でしたが今回のはほぼ間違いなくキンセンイシモチと言えるのではないかと思います。二つとも同じにしか思えないかも知れませんが違うんです。

これでお終いです。ありがとうございました。

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