*注:ここで使われている写真はすべてイメージ写真である。
ダイビングを終えた我々が、狭い船の上ですることと言えば、釣りの他には思いつかない。
前回のツアーでは、ダイビングがメインなのか、釣りがメインなのかわからなくなるほど良く釣れた。
オナガダイを筆頭に、ギンダイ、イソマグロ、キハダマグロ、カッポレ、カツオ、仕舞にはバラクーダやサメまで釣れた。
しかし、今回は沖が時化ており、深いところに行けなかった事もあって、ほとんど釣れず。
これでは夕食のメインディッシュがないということで、メインビーチの岩場でエビを獲ろうという話になった。
イセエビは暗くなってから行動する。
しかし、夜海面下が見通せない状況で、大きな船で島に近づくことは危険だ。
それ故に、あらかじめ島の人たちに、夜小舟で迎えに来てもらうように頼んでおいた。
しかし、待てど暮らせど迎えが来ない。
どうやら島の人たちは、我々が持って行ったお土産のウイスキーで宴会をしているらしく、我々は迎えを断念せざるを得なかった。
我々にとって、お土産がアダになってしまったようだ。
こうなると、目的を達成するためには、岸壁近くの岩場まで1kmほどを泳いで行かなければならない。
エビ捕獲メンバーは、オカシラと仏様と私。
言葉少なに準備をはじめた。
あたりは真っ暗。気が重い。
準備が整い、いざ出陣という時に、突然バチャバチャっと魚の跳ねる音がした。
大きな魚影が、闇の中に消えてゆく。
イソマグロであろう。
船の灯りに集まってきた小魚を追いかけて、大型の魚も集まってきているようだ。
食物連鎖でいけば、イソマグロの次はサメだ。
「やめようよ。」
私の言葉に反対する者はいなかった。
エビは食いたいが、命は惜しい。
結局、夕食は数少ない釣果の中からの一品と、マイクの仕留めた獲物をメインに乾杯することになった。
山羊の肉は歯ごたえがあり、ショキショキと砂肝を食べているような感触。
切り立った崖に棲むだけあって、無駄な脂肪がなく筋肉が締まっている。
味は思ったほど悪くはないのだが、皮を剥かれ丸裸にされた姿を見たばかりであったためか
微妙な味覚を思い出すことが出来ない。
いいかげんに噛んでビールで飲み下した、といったところであった。