*注:ここで使われている写真はすべてイメージ写真である。

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停泊している船での睡眠は、それほど悪い物ではない。

早朝、すっきりと目覚めたエビ獲りチームは、昨夜の雪辱を晴らすべく、準備をはじめた。

メインビーチの岸壁近くまではかなりの距離だ。

もちろんスクーバを背負っての捕獲作戦なのだが、距離を考えれば水面近くを移動したほうがエアーがもつ。

しかし、もともと遊び好きな3人組が水面近くを目的地まで直進するわけがない。

あちらこちらと寄り道をしながら泳いでいった。。

途中、長い根の底に人が入れそうな洞窟を見つけたが、探検したい衝動を押さえ、先に進む。

目的の場所まで到達しエビを探すが、すでに日は昇っており、曇天と言ってもエビが出てくるほど暗くはない。

結局、一匹のエビも見つけることが出来ないまま船に戻ることになった。

タンクのエアーの残量が少ない。遊びすぎたようだ。

帰りは水面近くを船に向かってまっすぐ泳いだのだが、とうとうエアーがなくなり浮上した。

水面に浮かび、波間に船を探す。

いいかげん泳いだはずなのだが、船までの距離はあまり縮まっていない。

おかしい。

疑問を抱きながら水面を必死に泳ぐ。

やっとのことで船にたどり着き、我々が行っていた場所を振り返ると、出発前より遠くなっているのがわかった。

アンカーのロープが切れて、船が流されていたのだ。

強い風でも吹いていれば、船にたどり着くことが出来たかどうか。

危なかった。

とりあえず無事に上がった我々は、休憩を取った後、「天狗岩北」に向かうことにした。

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